2010年9月9日

2010.9.9.小菅川_1

世附川林道崩落。急遽行き先変更

 
今日は世附川=水の木沢に行く予定であった。朝6時に起き1階のリビングに降りると、テレビのニュースが何か騒がしい様子だ。昨日までの集中豪雨で酒匂川流域が大増水し、被害が各所で出ているという。まさに今日、出かけようとしているホームグランドの世附川をはじめ丹沢湖周辺の沢が数ヶ所崩落し、道路、林道が寸断され通行止めが何ヵ所もあるようだ。いつも魚券を買う管理事務所のある浅瀬地区の集落も孤立状態だと言っている。

2010.9.9.小菅川_2

管理事務所の斜め前の一軒家の玄関先にいつも椅子を持ち出し90歳近いひとりの老人が座っている。管理事務所が出来る前まではこのおじさんが魚券を売っていた。以前はこの老人から魚券を買って、沢の様子など聞き、どの沢に入るか決める。おじさんも話し好きでつい20分ほど話し込んでしまう。日常生活での20分はたいした時間ではないが、これから釣りをするという時の20分は長いのである。でもこの老人との会話は決していやな訳ではない。楽しいのである。尺いわなを釣ったときの話だとか、熊はこちらから仕掛けなければおとなしい生き物だから心配ないとか、そして最後にはいつも、気をつけ行ってきなさいと言ってくれる。おじさんが魚券を売らなくなってからも、この沢を訪れると相変わらず玄関先に椅子をだして座っている。いつもそばまで寄って行って、元気ですかと声を掛け、沢の様子など聞き少し話をしてから出かける。
ある時も話し込んでいると林道工事の小型トラックが一台通りかかった。そのトラックに声を掛け、「この兄さんたち乗っけてけよ」と声を掛けてくれた。沢に入る地点まで歩いて1時間30分程かかる道のりを30分足らずで到着してしまった。不思議とこの日はいろんな出来事が起きた。10mほどの至近距離で熊に遭遇した事。初めて尺いわなを釣った事。つい遅くまで釣りをしてしまい、帰りが真っ暗になって林道を10分ほど歩いていると、突然暗闇の中からピカーッとヘッドライトの光が現れた。一瞬ビックリしたが、管理事務所の人が心配して見に来てくれたのである。「こんな暗くなるまで山にいては困ります」と、しっかり怒られてしまった。それでも歩いて2時間近くかかる帰り道を駐車場までまで送ってもらった事を思いす。今回のこの災害でチョットそのおじさんのことや管理事務所の事が気に掛かっていた。
落ち着かない気持ちで食事をしながら、被災している人たちがいるというのに、どこへ釣りに行こうか考えている。不謹慎きわまりない。どこの川も増水しているだろうと思いつつ、とりあえず車に荷物を積み込みSさんの所へ向かう。Sさんもすでにテレビで状況は把握済みで、なかば釣行中止の雰囲気?である。隣で奥さんも心配そうな顔をして立っている。「どうします?いきますか?」とSさんに言われ、ぼくは一つだけ答えを用意していた。「奥多摩小菅川へ言ってみませんか。釣りにならないかもしれませんが…。」昨年行ったときに釣り残したエリアがあった。小菅川は水量が少ないので、ちょうどこの集中豪雨で増水し釣りが出来るのではないかと思ったからである。「釣りがだめなら無理をせず、小菅温泉にでも浸かって帰って来ましょう」と言うことで、決行。少し出遅れたが、10時30分ころに白糸の滝手前の車場に到着。車は一台も止まっていない。早々支度を済ませ、白糸の滝の先100mほど上流のちょっとした尾根を降りる。そこは左岸がすぐ堤でそちらが本流だ。本流は水量が少ないので右岸の支流へ向かう。昨日の豪雨にもかかわらず、いつもと変わりなく水量は多くない。前回は上流の堤まで釣ったので今日はその堤の上を釣ろうと言うことになた。この日は収穫はイマイチ。唯一の収穫は、帰りに登山道へ戻る林道を見つけたことだ。次回はここから沢に降りれば、安全で楽でよい。早めに切り上げ小菅温泉に寄り。のんびり。
帰途につく。

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