はぎ(萩)Lespedeza

はぎ_2

[vol.223/2013年10月22日]

 
マメ科/ハギ属/6〜10月/落葉低木/樹髙:1〜2m/6〜10月
日本各地の山野でごくふつうに見られる萩といえば山萩を指す。東京近辺で見られるものは宮城の萩と山萩がほとんどで秋の七草でもなじみが深い。春の彼岸には牡丹を、秋の彼岸には萩の花を供える。彼岸に供えるあんころ餅、「ぼたもち」「おはぎ」はこの花に由来し同じものである。萩の枝や葉は家畜の飼料や屋根ふきの材料にし、葉を落とした枝を束ねて箒(ほうき)にしたて、根を煎じて、めまいやのぼせの薬にするなど、人々の生活にも溶け込んでいた。『万葉集』には萩の歌が140首以上あり、最も多く詠まれた花となっている。

 「秋風は 涼しくなりぬ 馬並(な)めて いざ野に行かな 萩の花見に」 
 「人皆は 萩を秋といふ よし我は  尾花が末(うれ)を 秋とは言はむ」 
 「わが岳(おか)に さを鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさを鹿」
 「高円(たかまど)の 野べの秋萩 いたづらに 咲きか散るらむ 見る人なしに」
 「指進(さしずみ)の 栗栖(くるす)の小野の 萩の花 花散らむ時にし 行きて手向けむ」
  万葉集 作者不詳

 「高円(たかまど)の 野べの秋萩 この頃の 暁(あかつき)露(つゆ)に 咲きにけるかも」 
  万葉集 大伴家持
 「宮人の 袖つけ衣 秋萩に 匂ひよろしき 高円(たかまど)の宮」 
  万葉集 大伴家持

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