小さな枝沢に棲む尺岩魚
一昨日、昨日と雨が降り6月とは思えぬ肌寒い日が続いた。
5時45分に目を覚ますと幸運にも天気予報通り、雨も上がり青空も見える。爽やかな天気だ。絶好の釣り日和!。
昨日までの雨で沢の水量が増え過ぎ、濁りが入っていなければ良いと思いつつ、コーヒーを入れる。コーヒーの苦そうな香りでボーッとしていた頭も少しスッキリとしてきた。焼きたての食パン2切れにネオマーガリンを塗りオーブントースターに突っ込む。(女房に「なんで焼きたてのパンをトーストにするの」と言われるが、カリッとしたトーストがいいのである。)香ばしいパンの焦げるにおいと同時にチ〜インと焼き上がりの音。パンを取り出し、はちみつをかける。目玉焼は半熟。裏返して少しきつね色に焦げ目をつける。黄身の薄皮を破り、食パンの先にペースト状の黄身をチョンチョとつけながら食べる。ヨーグルトは添付の顆粒砂糖を少し入れ、よくかき混ぜてから食べる。
6時40分トイレを済ませ、2階から荷物を下ろす。炊き込みご飯のおにぎりとお茶、冷蔵庫から餌のブドウ虫を取りだしリュックに詰め込み準備完了。7時少し過ぎSさんが迎えに来る。八王子バイパス経由で中央高速に入り韮崎インターへ向かう。途中境川SAでトイレ休憩。韮崎インターを降り国道20号を釜無川に沿って北上。釜無川を渡って約800m上円井の信号を左折、後は小武川沿いに湯沢と小武川渓谷の分岐点まで狭い道を40〜50分。途中、相変わらず道路工事を各所でやっている。何台かのトラックとすれ違う。釣り場に至る山道は何処も同じように道路を整備し山奥まで工事用のトラックを通す。大きな堤を作るために。最後の工事現場を過ぎ、やっと分岐点のゲートに到着。橋の上から沢の様子を見ると、どちらの沢も水量はかなり多い。釣りになりそうにない。上流に車を進め小さな枝沢に入ることにする。堤のすぐ脇に車を止める。すでに11時近くになっていた。途中コンビニで買ったパンを食べながら準備をすませ、堤の上から入渓。この小さな沢も思った以上に水量が多い。少し濁りもある。魚の付きそうなポイントも少ない。Sさんはドライフライをあきらめ、ルースニングで釣り始めた。小さないわな?の反応が2回ほどあった程度。この沢をあきらめ昨年行った沢に移動。
こちらの沢の方がポイントは多そうだ。すでに12時半を過ぎている。入渓地点に食事の出来そうなスペースがないので。1時間ほど釣り登った後、昼食にすることにした。 Sさんに少し上流から先行してもらい、ぼくは入渓地点から釣り始めた。
小さな落ち込みの巻き返しにブドウ虫を流すと、糸がスーと引き込まれていった。アタリはないが少し竿を立てると、グーッと竿がしなった。しかしアタリの感覚ではない? 竿を更に立てると根掛かりをしたような感じだ。更に引き上げようとすると今度は強い引きがビビビビッ、ビッと伝わってきた。間違いなく魚のアタリだ。それもかなり重い?。引き抜こうとしても根掛かりのように糸先が出てこない。これは大きいぞ。と、緊張感と期待感! 更に引き上げるとやと姿を現し、水面下を走り回る。大きいようにも見える。竿を立て手元に引き寄せネットにすくい入れると、獲物は22㎝のいわなだった。針が背びれに掛かったせいで、引きが何倍にもなったのだ。結局、昼食前に3尾ほど20㎝前後のいわなを釣った。
Sさんも同じような釣果だった。食事は2時を少し過ぎていた。食後にコーヒーを入れ、のんびりとした昼食になった。ゆっくりしたせいか沢の水量もずいぶん減り、濁りもすっかりとれていた。魚の付きそうなポイントも増えたように感じる。
食後の第一投で綺麗なあまごを釣ることが出来た。上流に目をやると、30m程先でSさんがこちらに向かって両手を広げジェスチャーでサインを送っている。大きな魚を釣った様子だ。急いで駆け寄るとデッカイいわなが手作りのランディングネットの中でヌメッと光っていた。Sさんも久々の尺いわなを釣って満足そうだ。ぼくもこんな小さな沢で尺いわなが釣れたことを一緒になって喜んでいた。その後も20㎝前後のいわなを数尾釣り、5時納竿。